超・仮面ライダー電王&ディケイド 鬼ヶ島の戦艦‐NEO GENERATIONS‐
昨年公開の「さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン」で幕を閉じたかに見えた「仮面ライダー電王」の新シリーズにして、平成仮面ライダー10周年記念映画春の章。室町時代に滅ぼされたというオニ一族が時空を越えて現代に現れた。彼らが狙うは、かつて人間の戦士によって二つに割られた「鬼の切り札」の片割れ。それをめぐってのオニの一族と電王チームの戦い、そして、「鬼の切り札」を持つ少年・ユウの成長が描かれている。現在放送中の「仮面ライダーディケイド」に登場する面々も登場、新たなる「電王」サーガの始まりに花を添える。また、大人気のグラビアアイドル「アッキーナ」こと南 明菜がゲスト出演したことが話題となった。
「まだまだ続きそうじゃねぇかチクショウ!」
率直に言えばまずこのひと言。悔しいが今回も良い出来だったと思う。母を失った悲しみを克服できず、慣れない環境の中で孤独を感じながら生きる少年が、「未来」を掴み取るまでの物語が、丹念に描かれている。その成長がどんな「未来」に繋がったかは、最後の最後まで見なければ分からない。エンドロールで帰るのは禁止である。
そして、相変わらずのイマジン達。戦いの中でコントをやるようなおマヌケぶり(褒め言葉)や、専属のスーツアクターもついてしまうほどクセのあるアクションも健在である。今回は、どちらかというと仮面ライダーゼロノス・桜井侑斗の相棒デネブに焦点があてられているのだが、それでも他の面々の影がさほど薄くならなかったのは、流石といったところだろうか。今回の敵、オニ一族のボス兄弟・クチヒコとミミヒコも、演じる篠井英介氏と柳沢慎吾氏の味のある演技で、悪役ながらどこか憎めない愛嬌を醸し出している。
先述の通り、現在放送中の「ディケイド」の登場人物も出演しているのだが、主役は電王の面々なので、昨年公開された映画第2作「&キバ クライマックス刑事」でのキバキャストと同じ程度の扱い(ディエンドに至っては、出てきた意味すら微妙である)である。夏の映画に先駆けて、大スクリーンで暴れまわるディケイドが見たいという方には物足りないだろう。が、今までどおりイマジン達や電王の活躍が見たい方は、今までどおり大満足できるだろう。
と、ここまでは褒めてきたが、最後に物申させてもらいたい。
パンフレットの最初のページに「『電王』とは、少年が時の列車に乗り、仮面ライダーとなって自分を見いだし、列車を降りるまでの冒険物語である。」と書いてある。
大馬鹿者めと言いたい。
仮面ライダーシリーズ、否、特撮ヒーロー作品とは、少なからず若者の成長劇が描かれるものであると私は思っている。「時の列車に乗りながら」というのが重要なポイントなのだろうが、成長劇が描かれるのは電王だけではない。「電王だけではない」のだ。東映には、その事を考えての作品づくりを望みたい。まぁ、こうして新シリーズとして始まってしまった以上、ネームバリューとキャラクター人気でどこまでやれるか見届けるつもりではあるのだが。


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